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anggrek さんから、正書法の問題について [質問・おたより]

質問です。2005年第1回A級[Ⅱ]4.の解答がDになっていますが、これは単語の書き方の正しくないのを選ぶ問いですね。この答の seluk beluk のどこが間違いなのですか?seluk-beluk としなければいけないのでしょうか?辞書によっては seluk beluk となっているのもありますし、B.の halalbihalal が halal bihalal となっているのもありますね。こういう問題は解答するのがとても難しいですが、イン検の解答と同じでなければ×ということになるのでしょうか?

Penulisan kata-kata berikut benar, kecuali _____.
A. menyebar luas   B. halalbihalal   C. negara nonblok   D. seluk beluk

お答え
インドネシア語の正書法については以前も話題にしましたが、その規則は難しいです。国が定める正書法規則は、一般に守られていないものも多く、そのため辞書の表記もまちまちになっています。また、国定正書法そのものに不合理な点が多いことも否めません。
正書法に関する出題は、イン検における数ある悪問の中でも、最たるものでしょう。日本でふつうに手に入れることのできる参考書や辞書に、これに関する説明が載っているものはありません。受験生は、いったい何をどうやって学べばいいのでしょうか。
私は、正書法に関する出題は心底くだらないと思いますが、百歩譲って正書法を学ぶ必要性を認めたとして、出題するのならば協会はその内容をきちんと公表しなければなりません。例えば「ちょばちょば4(?)」とかに正書法について詳しい説明があり、それが市販されているというのなら、まあ出題してもいいでしょう。しかし現実には、受験生が正書法規則を学ぶ機会は限りなくゼロです。ひょっとしてイン検協会は、A級受験者は自主的にインドネシア国家教育省と連絡を取って、正書法のパンフレットを取り寄せろとでもいうつもりなのでしょうか? ほんとうに気の毒でなりません。
まさかと思いますが、INJに通うA級受験生にだけ正書法を教えてたりするのでしょうか? そんなことは考えたくもないですが。

さしあたり、上記の問題についてのみお答えします。

A: menyebar luas は正しい。
分かち書きされる複合語に、接頭辞または接尾辞の一方のみがついたとき、分かち書きのままにする。ただし、接頭辞・接尾辞が両方ついたときは一語でつづる。
例:bertanggung jawab, menyebarluaskan

B: halalbihalal は正しい。
複合語は分かち書きするのが原則だが、一部の複合語は「慣例として」一語でつづる。そのような例外は、教育文化省が1987年に公布した正書法規則において、halalbihalal を含め48語示されている。
例:barangkali, matahari

C: negara nonblok は正しい。
non- のような接頭辞は、後ろと続けて一語でつづる
例:antarkota, mancanegara

D: seluk beluk は誤りで、seluk-beluk としなければならない。
くり返し語(重複語)は、ハイフンを入れてつづる
例:sayur-mayur, mondar-mandir

「複合語」と「音の変化するくり返し語」の見分け方は、それぞれの部分が独立した単語として存在するかどうかが目安になる。
suka duka は、suka と duka はそれぞれ「喜び」「悲しみ」という意味の独立した単語である。したがって複合語である。
seluk-beluk は、単独で seluk や beluk という語はない。また、sayur-mayur では、sayur は「野菜」だが、mayur という語はない。したがってこれらはくり返し語である。

すごく長いのですが、のちほど教育文化省公布の「正書法規則」の関係箇所を、全文掲載します。本邦初公開かもしれませんね。


コメント(1) 

コメント 1

anggrek

詳しい説明を早速して頂きありがとうございました。複合語と繰り返し語の見分け方もよくわかりました。
by anggrek (2005-10-30 09:47) 

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