bali_indah_21 さんから、kopi pahit について

jamanさんこんにちは、bali_indah_21です。
いつもありがとうございます。

さて、また検定試験の問題で
ちょっとあれっ？っと思ったものがあったので教えてください。
2004年第1回B級　II-10の問題です。

Kalimat berikut ini yang tidak memakai frase idiomatik, ialah ___________
A. Dia tidak disenangi kawan-kawannya karena besar mulut.
B. Pagi-pagi karyawati itu sudah mendapat kopi pahit dari atasannya.
C. Koruptor kelas kakap itu telah diseret ke meja hijau.
D. Artis itu berani memamerkan buah dadanya untuk dipotret.

A.の"besar mulut"は「大口をたたく」
C.の"meja hijau"は「裁きの場、法廷」
D.の"buah dada"は「乳房」
というイディオムは憶えていました。
B.の"kopi pahit"はいわゆる「ブラックコーヒー」
だと思うのですが、これはイディオムじゃないだろうなと思い、
答をBにしましたが、回答をみたらDでした。
"kopi pahit"はイディオムなのでしょうか。
また、D.は何か使い方が間違っているのでしょうか。
解説していただけるとありがたいです。
よろしくお願いいたします。

by bali_indah_21 (2006-07-07 18:14)

勉強にご精を出されているようで、すばらしいです。がんばってください。

さて、kopi pahit は、KASAR によると、
1. minuman dari kopi yang tidak dibubuhi gula
2. (ki) yang tidak menyenangkan (mendapat amarah, mendapat teguran)
とあります。もちろん、今回問題になっているのは 2. の意味です。
上の問題文にもあるように、「注意、小言」というような意味のイディオムになるようです。
この kopi pahit、Ｓ先生辞書にも載ってませんね。
そもそも、私も（イン検問題以外で）見たことはないし、このイディオムは使うんでしょうか。google も 870 件しかヒットしないし、そのほとんどは「ブラックコーヒー」という意味です。

では、buah dada 「胸の実＝乳房」は、イディオムではないのか？　ということになります。
イディオムの定義は、「元の意味を離れて、慣用的に決まった意味を持つようになったもの」という感じだと思いますが、結局は「感覚」以外に判断基準はないようにも思います。（少し考えてみます）
buah が「植物になる実」という意味だとすれば、buah dada はイディオムだと思いますが、出題者がこれをイディオムでないとする根拠は、残念ながら私にはわかりません。
Ａ級では過去に、
buah tangan, buah hati, buah dada, buah bibir
からイディオムでないものを選ばせる問題があり、やはり buah dada を正解にしていますので、出題者がそう信じていることはまちがいありません。

もしかしたら、buah dada は idiom ではなく metafora 「比喩、隠喩」と考えているのかもしれません。
例えば「机の足」と言うとき、机に本当の「足」があるわけではなく、「机にとって足のようなもの」という比喩です。
インドネシア語でも、kaki gunung 「山の足＝山のふもと」というような言い方があります。buah dada はこの一種ということかも。

いずれにしろ、これもちょっとアレだと思いますけど、以下自粛

コメント 4

jamanさんこんにちは！お返事ありがとうございます。

なるほど、kopi pahitにはそういう意味があったんですね。
私は問題文を読んで
「上司がコーヒーをくれたんだ、親切な上司だね」って
思っていました（笑）
buah dadaについては、検定協会では
イディオムではないという判断をしているのですね。
今後試験に出たら気をつけたいと思います。

それと、jamanさんの文章の中の
2. (ki) yang tidak menyenangkan (mendapat amarah, mendapat teguran)
の最初の(ki) とはなんでしょうか。

今後ともよろしくお願いします。
by bali_indah_21 (2006-07-08 11:54) 

ki ＝ kiasan 「たとえ、比喩」という意味です。

ところが、buah hati にも buah dada にも、ki とは書いてありません。
この辞書がどんな基準で ki の表示をしているのか、これまたよくわかりません。
もしかしたら、buah hati はイディオム的意味しかない（文字どおりの「心の実」という意味は存在しない）ので ki の表示をせず、kopi pahit は文字通りの意味とイディオムとがあるので、一方に ki の印をつけている、ということかも。
by jaman (2006-07-08 12:17) 

besar mulut = 大きい（形）　＋　口　-->大口をたたく
meja hijau =　机　　　＋　緑（形）　-->　裁判所
buah dada =　実　　　＋　胸　--> 乳房
kopi pahit =　コーヒー + 苦い（形）-->注意
上記の四つの句について、仲間から外れた句はどれ？と問題を変更すればどうなるんでしょうか？
・buah dada　の成員には形容詞が無いので、他の三つと異なります。でも、frasa idiomatik かどうかの答えにはなっていません。
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意味論になると、学者はそれぞれ自分の定義を持っているのですが、少なくとも、「広義の比喩」は次のように分けることが出来ます。「10種類と分ける学者もいるようです。」
Ａ.メタファー（隠喩）「類似関係」
例：月見うどん＝１．「うどんの真ん中に卵がある」
　　　　　　　　　　２．「その卵は満月に似ている」
　　　　　　　　　　３．「月見は三日月などの満月ではない月を見るのではない」
Ｂ.換喩（メト二ミー）「隣接関係（空間的包含・全体と部分など）」
例：恩師に顔「＝姿」を見せに行く。
１．「顔は人の一部」
２．「顔と他の体の部分とあわせて、人を成す」
Ｃ.提喩（シネクドキー）「上位概念と下位概念の包含関係」
例：今日は花見に行こう。
花見といっても、「バラ」「ラベンダー」などを見るのではなく、「桜」を見る。
１．「上位概念：花、下位概念：桜」
２．「桜は花の一種」

そうすると、
besar mulut = 大口をたたく
換喩
１．「口が大きければ、声も大きい」
２．「声が大きければ、目立つ」
３．「目立つ人は偉い」（論理を導入して隣接的）
meja hijau =　裁判所
換喩
１．「裁判所には、必ず緑の机がある」（空間的隣接）
buah dada =　乳房
隠喩
現実の世界には、存在しないが、個々の成員なら存在する。
１．「buahは木の枝から大きく膨らんで出来たもの」
２．「普段のイメージでは、buahは甘い。食べやすい。木の他の部分よりも美味しい」
３．「buah dadaは存在するとすれば、dadaというものから、１．と２．を満たさなければならない」
４．「乳房」は3.の類似関係にある。
kopi pahit =　注意
換喩
１．「kopi pahitは、苦い。」
２．「kopi pahitを飲んで目が覚める。」
３．「kopi pahitは、普通のkopiよりも本格的である。」
４．「注意される時の気分は、（kopi pahit）を飲んだ時の気分に近い」
（論理を導入して隣接的関係）
従って
besar mulut = 換喩
meja hijau =　換喩
buah dada =　隠喩
kopi pahit =　換喩
で、上記の「隠喩・換喩・提喩」の概念を導入して、仲間外れたのは、buah dada となります。ただ、これもまた、導入した考え方によって、「答えも変わりうる」ので、難しい。Ｂ級の全問を1時間2時間解ける人って凄いですね。ちなみに、私の場合、上記の関係性を見つけるには、1時間ちょっと掛かります。じゃあ、私は不合格ですね。(泣）
by ine_go (2006-07-10 02:22) 

またまた、たいへんな論文になってますね（笑）
イン検問題を考えてると、言語学の勉強になっていいですね。ふつうの受験生にはいい迷惑ですが。

そういえば、「イディオム」の特徴は、「他の要素（修飾語）を加えることができない」「切り離すことができない」というのもあったような。
by jaman (2006-07-10 23:14)