SSブログ

研究会の呼びかけ [ごあいさつ]

現在、インドネシア語検定対策をメインとして、勉強会をやっています。
これは、やってくれという人が一人でもいる限り、今後もできるだけ続けたいと思います。
原則として隔週土曜日または日曜日の夜で、場所は東京。
内容はC~B級の過去問が中心です。
2月下旬から再開したいと思いますので、興味のある方は連絡をください。

さて、たぶんダメだろうと思いつつ、呼びかけます。
勉強会とは別に、インドネシア語研究会(仮)をやりませんか?

インドネシア語に関する論文を読みませんか。
私は、大学院の博士課程で言語学、とくに統語論(Syntax)を専攻しています。
インドネシア語に関する論文も読んでいるわけですが、学科は英語学ですので、演習は英語が中心で、インドネシア語の論文につきあってくれる人はいません。(もちろん指導教官は教えてくれますが)
1人ではなかなかモチベーションがあがりません。
ホントはそんなことではいけないんですけど、やはり1人でやるより2人以上のほうが、理解が深まったり問題点が見えてきたりするわけです。
日本でインドネシア語をやっている人は少ないので、私と同じような状況の方もいるでしょう。

対象は、もちろんどなたでもかまいません。
・学部生または大学院生で、インドネシア語について卒論・修論を書こうと思っている人
・現在、インドネシア語を教えている日本人・インドネシア人で、言語学をきちんと学んだことがないので、学んでみたいという人
・言語学をやっている人で、インドネシア語に興味がある人
・一般人だが、論文を読んでみたい人(そんな人はまずいない)

内容や日時・場所、具体的な進め方などは、相談しますが、私が思っているのは、たとえばこんな論文です。

Chung, S. (1976) "On the Subject of Two Passives in Indonesian"
Chung, S. (1976) "An Object-Creating Rule in Bahasa Indonesia"
Chung, S. (2006) "Indonesian Clausal Structure from an Austronesian Perspective"
Cole, P and G. Hermon. (1998) "Subject and Non-Subject Relativization in Indonesian"
Cole, P and G. Hermon. (2000) "Partial WH Movement: Evidence from Malay"

論文は、英語で書かれたものが中心です。
なぜかというと、べつに英語至上主義というわけではなく、重要な論文は、ほとんどすべて英語で書かれているからです。
ここでいう「重要」とは、必ずしも「内容がすぐれている」というわけではなく、「学会で影響力がある」という意味です。
もちろん、インドネシア語や日本語で書かれた論文を頭ごなしに排除するわけではありません。必要があれば、そういうのもありです。

インドネシア語学の世界的権威は、Sandra Chung と Peter Cole (and Gabriella Hermon) です。
これらの論文は、基本的には生成文法の枠組みで書かれています。(初期の Chung は関係文法も)
ですから、生成文法の基本を理解する必要があります。
もし、生成文法をまったく知らなければ、

Salleh, R. (1987) "Fronted Constituents in Malay: Base Structures and Move-Alpha in a Configurational Non Indo-Europian Language"

から始めるのもいいかもしれません。
これはかなりよくできているマレー語生成文法入門で、しかもつっこみどころが満載なのもすばらしい。

生成文法を知っていることは条件ではありません。まったく知らなくても、用語や概念を説明します。
ただし、変な言葉や樹形図にアレルギーをもたずに、理解しようという気持ちがあることが条件です。

参加のしかたは、人それぞれですので、おまかせします。
論文に興味はあるが、とても読めないので…という方は、私の話を聞いているだけでもかまいません。
もちろん、ある程度は積極的に質問などはしてほしいですけど。
ぜひ自分にも読ませろ、というやる気満々の方がいれば、もちろん輪読形式も可です。その場合でも、全員に強制はしません。

たぶん、日本で、インドネシア語生成文法が開講されることは、ほとんどないでしょう。
少しでも興味がありましたら、コメントまたはメールをください。
周囲に言語学に興味がある人がいたら、紹介していただけたらうれしいです。


コメント(10) 
共通テーマ:資格・学び

コメント 10

albertus

興味があります。
jamanさんの生成文法の講義を聞きたいですね。
自分は、最近、言語学よりも、少しマネージメントの方に脱線してしまい、初心を忘れずに、是非、参加したいです。

ところで、sonetのblogを作りました。
http://blog.so-net.ne.jp/bahasa_indonesia_arbee
主に、宣伝になっていますが、そのうちに、mixiのインドネシア語のまとめを移します。

検定試験の対策講座も真面目に考えましょう。私は、全面的に協力します。確かに、生の知識をそのまま『食べられる』一般人があまりいないのですが、皆で、企画を作れば、いいものが出来上がります。
4月になったら、少し自由になりますので、その時に、是非!。
by albertus (2008-02-07 19:48) 

Lubis

おひさしぶりです。
以前、少しだけコメントしたことのあるLubisです。

ここ数年、インドネシア語とは全く縁のない生活を送っておりますが、インドネシア語に関する論文にとても興味があります。英語で書かれていても、時間をかければ読める(読めなければ勉強します)ので、是非読みたいと思っています。

とはいえ、東海に住んでいるのと、残業続きでややバテ気味なので、これまで勉強会に参加したいと思いつつも参加できませんでした。何らかの形で参加できればいいのですが…。
by Lubis (2008-02-09 22:59) 

jaman

>albertus さん

前向きのお返事、ありがとうございます。

ますますご活躍中のようですね。
どちらにしても、4月にならないと、私も他の方(もしいれば)も予定がわからないでしょうから、そのときにまた考えましょう。
たぶん、私よりあなたの方が忙しいでしょうから、そちらの予定に合わせますよ。

>Lubis さん

お久しぶりです。
東海からご参加いただくというわけには、なかなかいかないでしょうが、お気持ちだけでもうれしいです。
まあ、もし実現したら、せめて論文のレビューくらいは載せましょうか。

さらに気長に、コメントをお待ちしています。
by jaman (2008-02-09 23:24) 

Lubis

jaman さん、ご返信ありがとうございます。
もし実現したら、レビューだけでも載せて頂ければ有難いです。

勉強会に参加できなくても、機会があるときに上記の論文を探してみようと思います。

これからも、インドネシア語とは気長に付き合っていきたいと思っています。それでは、また。
by Lubis (2008-02-10 00:19) 

dayu

jaman さん、はじめまして。
インドネシア語を教えている日本人です。研究会おもしろそうですね。

言語学を大学などで学んだことはないので、いきなり英語の言語学の論文を読んで理解できるのか少々不安ですが、インドネシア語の統語論には興味があります。

開催するようであれば、参加してみたいなと思っています。
by dayu (2008-02-25 10:43) 

jaman

>dayu さん

お返事ありがとうございます。

>>言語学を大学などで学んだことはないので、いきなり英語の言語学の論文を読んで理解できるのか少々不安ですが、

私も、いまは統語論をやっていますが、2年前まで誰からも言語学を学んだことはなく、修士論文(インドネシア語の形容詞派生動詞)もほとんど自力で書きました。
最初は難しいでしょうが、専門用語さえ理解できれば、論文は英字新聞や小説よりはるかに簡単です。
あと、(とくに生成文法の場合)日本語やインドネシア語で書かれている論文よりも、英語の論文のほうがはるかに易しいのが実情です。

一度メールをいただけたら幸いです。
(dayu さんだけでなく、他にももし興味を持っている方がいらっしゃれば)
chz28030@syd.odn.ne.jp
by jaman (2008-02-27 17:01) 

アルビー

こんにちは、
jamanさん、you tube でテスト動画を載せて、これから、インターネットでも、勉強出来るように、アルビーチームで頑張っています。
http://blog.so-net.ne.jp/bahasa_indonesia_arbee/2008-02-28
後、これからスタジオで作成しますが、とりあえず、テストということで、下記のページも作りました。
http://blog.so-net.ne.jp/bahasa_indonesia_arbee/2008-03-04#more

研究会のことを是非、実現しましょう!。
bersatu kita teguh bercerai kita runtuh!
by アルビー (2008-03-04 02:25) 

sone

「勉強会」について興味があり、投稿しました。
 統語論もそうですが、私はとくにインドネシア語の意味論的記述に関心があり、その後の「勉強会」での様子をお知らせくだされば幸いです。
 当方、一昔前に言語学をやっていたことはあるものの、まったく進歩を見ないインドネシア語学習者です。(学生でも、教師でも、またインドネシア人でもない、一般の“罪もない”日本人です。)

by sone (2008-06-01 21:31) 

sone

 先ほど、「勉強会」と書きましたが、「研究会」のことでした。
 ですが、「検定試験」にはあまり興味がありませんが(あまり価値がないように思えて)、「勉強会」の方も、その内容をご連絡いただければと思います。
by sone (2008-06-01 21:36) 

jaman

>sone さん

コメントありがとうございます。

研究会は、
Mangasa Silitonga,(1990) "Tata Bahasa Transformasional Sesudah Teori Standar"
という論文を読んでいます。
これは80年代までの生成文法理論の歴史をふりかえりながら、基本的な考え方をインドネシア語の例文で説明しているものです。
ただし、話し合っているうちにいつも発展(脱線)するので、あまり進んでいません。
テキストをきちんと読むのではなく、テキストはきっかけとしてインドネシア語文法の諸問題を議論する感じの会です。
隔週日曜午前で、次回は6/15です。

勉強会は、最近はSMPのEbatanasの中で、外国人学習者にも訳にたちそうな問題を解いています。
ですので検定試験対策というわけでもなくなっています。
隔週土曜夜ですが、参加者の都合により、次回は少しとんで6/28です。

連絡はメールで行っていますので、よろしかったら、4つ上に載せているアドレスにメールをください。
(リンクを入れていただいたかもしれませんが、リンクしてないようです)
by jaman (2008-06-03 09:22) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

お知らせ読売文学賞 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。