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444 【中級】文法 [中級]

Suasana Kota Sampang kembali _____ setelah sekitar dua bulan mereda.

A. berpanas
B. memanas
C. memanaskan
D. memanasi

解答:B
サンパン市の雰囲気は、約2ヶ月間沈静化していた後、再び熱くなっている

形容詞 panas に接頭辞 me- をつけると、自動詞 memanas 「熱くなる」という意味になる。
この文脈では、「緊張を増す、危険になる」というような感じで用いられている。

他の選択肢
A: berpanas 「日光浴をする」 = berjemur
  あまり一般的でなく、中級では覚える必要はないでしょう。
C: memanaskan 「熱くする、温める」
D: memanasi 「熱を加える、温める」
  いずれも他動詞。問題文では、空欄の後ろに目的語(名詞)が見あたらないので、入りません。

一般に、形容詞基語から派生する動詞は、
  me- → 自動詞「~になる」
  me-kan → 他動詞「~にする」(使役)
となります。いずれも生産的で、多くの形容詞にあてはまります。
一方、一部の形容詞には、
  me-i → 他動詞「~を与える」(付与)
という形があります。me-i 形はごく一部の形容詞にしかありません。

例:
形容詞 panjang 「長い」
  → memanjang 「長くなる」(自動詞)
  → memanjangkan 「長くする」(他動詞)
  →*memanjangi  存在しない
 ※なお、memperpanjang も「長くする」という意味ですが、今回は説明省略。

形容詞 terang 「明るい」
  →?menerang 「明るくなる」(自動詞)
  → menerangkan 「明るくする、説明する」(他動詞)
  → menerangi 「明るさを与える、照らす」(他動詞)


(補足)

  memanaskan = panas の状態にする → 熱くする、温める
  memanasi = panas を与える → 熱を加える、温める
となり、memanaskan と memanasi はほぼ同じ意味ですが、意味にちがいが生じることがあります。


【memanaskan と memanasi のちがい】

1. 目的語の状態変化の必然性
  memanaskan では、目的語が panas の状態に変化したことに重点があるのに対し、memanasi では、目的語に panas を与えたという過程に重点が置かれているので、必ずしも目的語が panas になったとは限らない。

1.a.?Saya memanskan sup, tetapi supnya masih dingin.
  「私はスープを熱くしたが、スープはまだ冷たい」
  b. Saya memanasi sup, tetapi supnya masih dingin.
  「私はスープに熱を加えたが、スープはまだ冷たい」

2. 全体解釈と部分解釈
  memanaskan では、目的語全体に作用が及んでいると解釈されるのに対し、memanasi では目的語の一部にのみ作用が及んでいると解釈されることがある。

2.a. Saya memanaskan kamar untuk menyambut tamu.
  「私は客を迎えるために部屋(全体)を暖めた」
  b.?Saya memanasi kamar untuk menyambut tamu.
  「私は客を迎えるために部屋(の一部)に熱を加えた」

拙修士論文では、このような話を、語彙意味論の立場から分析しました(つもり)。
いずれまた、どこかで説明しましょう。といいつつ、いつになることやら。


【興味のある方への宿題】

1. 対義語の一方のみ存在する場合
   Rambut memanjang. 「髪が長くなる」 はOKですが、
 ??Rambut memendek. 「髪が短くなる」 は不自然です。
  なぜでしょうか?

2. me- 自動詞と me-kan 他動詞の分布
  形容詞基語の場合、ほとんどの形容詞は me-kan 他動詞形をもちますが、対応する me- 自動詞形はもたないものがたくさんあります。例えば、
  形容詞 dekat, kecil, tinggi には、me-kan 他動詞形とme- 自動詞形のどちらも存在しますが、
  形容詞 cantik, bersih, miskin には、me-kan 他動詞形はありますが、me- 自動詞形は存在しない(または不自然)です。
  なぜでしょうか。また、この2つのグループの形容詞には、何か本質的なちがいがあるでしょうか。

3. 派生動詞をもたない形容詞
  上で述べたように、me- 自動詞形をもたない形容詞はたくさんありますが、ほとんどの形容詞は me-kan 他動詞形はあるようです。
  当社の調べでは、98%の形容詞に me-kan 他動詞形があります。(やや不自然でも、適切な文脈を与えれば可能という意味で)
  では、me- 形のみならず me-kan 形ももたない形容詞、すなわち派生動詞がまったくない形容詞はあるでしょうか。それはどんな形容詞ですか。

以上の問題は、修論で「いちおう」解決しました。
もちろん、当時は解決したと思ったことでも、今になったらやっぱりうまくいってなかった、ということが多いわけですけどね。


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