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DMの法則 (1) [正しいインドネシア語]

  「DMの法則」という用語は、教師と学生の間だけでなく、一般の人々の間でも、すでにかなり知られるようになっている。

  この用語は、最初アリシャバナ(St. Takdir Alisyahbana)が、文法書『インドネシア語新文法  Tata Bahasa Baru Bahasa Indonesia 』第1巻で用いた。「DMの法則」という用語は、確かにアリシャバナが作り出したものだが、この用語によってあらわされるインドネシア語のきまりは、以前から知られていたことである。

  DM というのは、 Diterangkan-Menerangkan 「被修飾-修飾」の略語である。その意味は、インドネシア語において、句の構造においても文(節)の構造においても、修飾される部分は、必ず修飾する部分の前に置かれるということだ。このきまりは、一般にアウストロネシア語族に属する言語にあてはまる。インドネシア語、およびインドネシアの各地方語の大部分は、アウストロネシア語族に属する。インド・ヨーロッパ語族に属する言語、例えばサンスクリット語・英語・オランダ語などは、逆に「MDの法則」があてはまる。すなわち、修飾する部分は、必ず修飾される部分の前に置かれるのである。

  オランダ人は ziekenhuis 「病院」(ziek = sakit 「病気」,  huis = rumah 「家」)と言うが、インドネシア人は rumah sakit である。英語では round table 「まるテーブル」(round = bundar 「まるい」, table = meja 「テーブル」)、オランダ語では ronde tafel だが、インドネシア語では meja bundar になる。我々にとって大事なものは meja 「テーブル」であり、 bundar 「まるい」はその meja についての性質を示すことばである。だから、 meja という語は bundar という語の前に置かなければならない。

(今まで連載していた「ことばとその意味」には、まだ続きがありますが、同じ内容だとあきるので、これから数回、別の内容をおとどけします)


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