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前置詞 (2) [正しいインドネシア語]

 別の問題に移ろう。前置詞 di または ke は、すべての単語の前で使うことはできない。ある種類の名詞の前では、di と ke のかわりに、前置詞 pada と kepada を使うことになっている。

 pada は次の単語の前で用いる。

1) 抽象名詞の前
例:pada sangkanya「彼の推測では」、pada pikiran saya 「私の考えでは」、pada pendapat Ibu 「母(その女性)の意見では」
 ここでは、pada は menurut に置きかえることができる。すなわち、menurut persangkaannya 「彼の推測によれば」、menurut pikiran saya 「私の考えによれば」、 menurut pandapat Ibu 「母の意見によれば」

2) 代名詞の前
*di saya ではなく、pada saya 「私に」
*di kami ではなく、pada kami 「私たちに」
 同様に、ke は kepadaに変わる。
*ke saya, *ke dia, *ke Ibuではなく、kepada saya 「私へ」、kapadanya 「彼へ」、kepada Ibu 「母へ」とする。
 *di saya, *di kami, *di kitaのような表現は、西ジャワでよく耳にする。そのような言い方は正しい言い方ではないが、地方語の影響を受けた形である。同様に、*kesayakan 「私にくれる」、*sudah dikesayakan 「私はもらった」、*keibukan 「母にあげる」、*sudah saya keibukan 「母にあげた」などもスンダ語の影響を受けた形である。berikan kepada saya 「私にくれる」、sudah diberikan(nya) kepada saya 「私にくれた」、berikan kepada Ibu 「母にあげる」、sudah saya berikan kepada Ibu「私は母にあげた」と言うのが望ましい。

3) 数詞の前
pada suatu hari 「ある日」、pada suatu tempat 「ある場所に」、pada beberapa negara 「いくつかの国に」。
 しかしながら、このきまりは現在ではもう守られていない。現代インドネシア語では、今説明したようなpadaのかわりに、di suatu tempat「ある場所に」、di sebuah rumah 「ある家に」、di beberapa negara 「いくつかの国に」と言う人が多い。pada suatu hari 「ある日」だけは、そのような pada の使い方として今でも残っているが、これはきまり文句と見なされているからであろう。

4) 時をあらわす副詞の前
例:pada malam itu 「その夜」、pada bulan puasa 「断食月に」、pada hari raya 「祝日に」、pada tahun itu 「その年に」
 このような、時をあらわす副詞の前で用いられる pada は、ときどき dalam に置きかえられる。つまり、dalam bulan puasa 「断食月に」、dalam tahun itu 「その年に」
 時をあらわす副詞の前で用いられる pada は、現在では必ずしも守られていない。現代インドネシア語では、di malam hari 「夜に」、di bulan puasa 「断食月に」、di saat itu「その時に」といった言い方もふつうになってきている。

 ことばをきちんと使うためには、前置詞 di や ke は場所や方向をあらわす語の前で使い、今述べたような場合には、前置詞 pada や dalam を使うべきである。


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