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kontaminasi (3) [正しいインドネシア語(旧)]

(再掲)
イン検A級 2004年第1回 
Kerancuan atau kontaminasi terdapat pada kalimat mana?
A. Penataran itu dapat meningkatkan kemampuan karyawan.
B. Bagi yang pemenang akan mendapatkan sebuah hadiah besar.
C. Perayaan di sekolah itu dihadiri oleh semua guru.
D. Pemain tenis itu meraih gelar juara nasional.

解答:B
述語 akan mendapatkan に対応する主語がない。bagi yang をとって、
Pemenang akan mendapatkan sebuah hadiah besar.
「勝者は大きな賞品を手に入れるだろう」
とすればよい。

以上が Badudu による"kontaminasi"の説明と、イン検の関連問題でした。
"membantah bukan" については、すでにコメントをいただいてますが、とりあえずその問題はおいといて、「主語と述語の対応」については、彼らの主張と彼らの要求する「正しいインドネシア語」について理解することは、それほど難しくはありません。わかりにくければ、英語に訳して考えてみるのもいいかもしれません。

ところが問題は、はたしてこのような英語と同様の「主語・述語」という概念が、本質的に英語(インド・ヨーロッパ語族)と異なる語族(アウストロネシア語族)に属するインドネシア語にも適用されるのか、ということです。私の考えでは、(1)(2)のような文がほんとうに「正しくない」と言えるのかどうか、かなり疑問に思います。

次の文はどうでしょう。
(5) Mengenai masalah ketunakaryaan perlu diselesaikan secara tuntas.

この文は2004年第1回A級で出題された文に少し手を加えたものですが、彼らは「正しくない文」と考えるでしょう。確かに(1)や(2)と同様に「主語」がありません。mengenai は di と同じく前置詞です。しかし、次の日本語はどうでしょうか。

(6) 失業問題について、その会議で話し合われた。

この日本文が「『主語』がないから正しくない」と主張する人は、いくら「規範文法家」でもいないと思います。

(7) 失業問題、その会議で話し合われた。

いかがでしょうか。もし(6)が「正しい」日本文ならば、(5)だって「正しい」インドネシア文である可能性は大いにあります。(もちろん、多くの母語話者が「直感的」に、やはり(5)は「正しくない」と見なす可能性もあります)

日本語における「主語」は、英語の「主語」とはまったく異なるものであることは、みなさんもなんとなくお気づきでしょう。英語では基本的に必ず主語が必要ですが、日本語では主語は必要ありません。
「明日遊園地へ行きます」という日本文は、「私は」という主語が省略されているわけではけっしてありません。「私は」は本質的に必要ないのです。
インドネシア語における主語が、英語と日本語のどちらに近いのかは即断できません。確かに SVO という語順だけを見れば英語に近いですし、その意味では Badudu のような「規範文法家」たちがインドネシア語を英語と同様に見なしがちなのは、まったくむりのないことです。

ここではさしあたって、インドネシア語は英語のようなインド・ヨーロッパ語族と異なり、主語と動詞の「一致 agreement」が見られないこと、インドネシア語には日本語と同様の「象は鼻が長い」という「二重主語文」が存在すること、インドネシア語には一般に「能動態・受動態」と呼ばれるペアがあり、確かに能動態では行為者、受動態では対象が「主語」になっているように見えるが、フィリピノ語や台湾原住民諸語では、「能動態・受動態」というペアはなく、語順が変わらないまま、動詞の「焦点形」に合わせて、行為者や対象にマーカーがつくこと、などを指摘しておきます。


コメント(1) 

コメント 1

NO NAME

インドネシア語検定B級に向けて勉強しています。3度目のチャレンジです。
大変分り易く説明されていて、やっとkontaminasiについて理解できました。
ありがとうございました。
by NO NAME (2010-12-02 15:00) 

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